「データベース研究に全集中!」 Vol.5
データベース研究の良きパートナー

寺島 玄
製薬本部 データ解析部
医療機関支援事業本部 Research & Communicationグループ

皆さん、こんにちは。JMDCの寺島です。

 この原稿がアップされているころは、東京オリンピック・パラリンピック開催中のタイミングかと思います。暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

 前号で、『教育プログラム』について触れさせていただきました。想像以上に多くの方から反響があり、皆さんの医療データの活用という点において、新たな課題解決となる一助であればと感じている次第です。産業界だけでなくアカデミアに対してもこれまで以上の活動ができればと考えていますので、お気軽にご相談ください。
 さて、データベース研究を中心としたテーマでこのコラム連載を始めていましたが、「医療データ」全般に触れられるように範囲を広げようと思い、次回以降はタイトルを一新して、新たな切り口でお届けしたいと思います。データベース研究でのお役立ち情報もですが、ヘルスケア領域における情報提供や問題提起をしながら、何かしらの貢献をしていくことができればと思う次第です。

 今回は、データベース研究を実施する上でサポートをしてくれる解析事業者のお話をしてみたいと思います。

【データベース研究におけるパートナー】

 医薬品のバリューチェーンを考えた時、CROは大きな存在です。従来の医薬品の研究開発、申請、承認後の調査、再審査等々、製薬産業を支えてきています。データベースの活用は進んできているとは言っても、ようやくGPSP省令改定で、製造販売後データベース調査が実施可能になったことは記憶に新しいかと思います。
 とはいえ、メディカル部門を中心に、医薬品の価値を最大化するためにデータベースを用いた研究は多く企画されてきており、各企業とも積極的に取り組もうとしています。メディカル部門でのデータベース研究の役割はいずれお話することとし、今回は、データベース研究を実施する上でのパートナーのお話をしたいと思います。

【いくつかのパターンに分けられるパートナー】

 データベース研究を実施する上で、すべて自社のリソースで完結できるのであれば、それに越したことはありません。比較的取り組みとしては新しいものであることから、担当する部署や関連する知識、そうした経験のある人材など、十分ではないこともあり、外部の会社と協業するケースが多い状況です。そうした会社は以下のパターンに分けることが可能です。
 どれが良いかというと判断は難しいところです。どの企業も一長一短ある上で、適切なパートナーを選択することは、研究を進める上でとても重要です。

(データベース研究をサポートする企業の区分)

❶解析会社(HTA研究支援、MA研究支援)
 従来のCROに近いものはあるが、特に「医療経済・アウトカム研究」に関して専門知識を持つスタッフによるサポートを行っている会社。費用対効果やリアルワールドデータを用いた解析などを行っている。日本の企業もあれば、グローバル企業もあり、近年では日本への参入も相次いでいる。各社とも特徴があり、グローバル企業は海外のリソースなども使って、サポートをしている。研究材料としてのリアルワールドデータを保持はしておらず、データの取扱いという点では、データベンダーといかに関係構築ができているかも重要である。メディカル系の研究においては、ライティング部門もあり、研究の企画からパブリケーションまで一気通貫でサポートをしていることが多い。

❷CRO
 製薬会社の幅広い部門における業務を受託していることもあり、データベース研究の問い合わせをひとまず受けているところも多い。治験や市販後の調査等の実績から、データマネジメントや統計解析の業務に関してリソースは豊富。とはいえ、リアルワールドデータはこれまでのデータとは性質も異なることもあるので、サポートを依頼する上で、各社の経験は重視すべきかもしれない。リアルワールドデータに関しての専門組織を作っているCROもある。大手のCROは、人材の豊富さも活かしながら、幅広くサポートを提供している会社もある。

❸データベンダー
 いわゆるデータを保持している企業。近年ではリアルワールドデータもさまざまなデータが利活用でき始めており、データベンダーとしての企業も多くなってきた。データベンダーによっては、研究サポートや解析業務を展開せずに、外部との連携を図っている会社もある一方で、社内に医学専門家や疫学専門家などを擁して、データベースの研究や利活用を積極的に行っているところもある。

 データベースの利活用が拡大している中、サポートする企業も増えてきています。また、製薬会社の注力領域も、患者の多い生活習慣病から希少疾病へシフトしてきており、データベースを使った企画や実施の難易度は上がってきています。そうした意味でも「よきパートナー」選びはとても重要です。研究材料としてのデータを提供している会社は、活用経験のある企業との関係もあり、多くの情報を持っていることも多いです。データベンダー側に相談をすることで、研究の進め方や社内の状況に応じて、適切なサポート会社選択に対する助言を得られるかと思います。

【JMDCにおけるサポート内容の変化】

 当然、JMDCでもデータベンダーとしての位置づけだけではなく、さまざまなサービス展開してきています。下記の図はJMDCにおけるデータベース研究の受託内容の変化です。

 取扱う医療データの種類も増え、最近では自社のデータではない医療データの研究のお手伝いもしています。リアルワールドデータを提供している会社は、各社レセプトやDPC、電子カルテというものがデータソースになっているケースが多く、医療データを熟知している、取扱いに慣れているという点では、強みを生かしたサポートが可能です。
 目的に応じたサポートや包括的なサポートなど医療データを活用する上での多様なニーズにお応えしていきたいと考えています。

お問い合わせはこちら:https://www.jmdc.co.jp/inquiry/