「医療データの活用を考えてみる」Vol.7

〜更なるデータ活用のためのデジタル技術〜

 皆さん、こんにちは。JMDCの寺島です。
 2021年9月17日に第29回JMDC webinarで筑波大学の岩上将夫先生に登壇いただき、『データベースから研究を検討する』をテーマに前半:岩上先生からの講演、後半:先生と私の対談ということで、企画をさせていただきました。おかげさまで、約400名の方に聴講をいただいていたようです。ありがとうございました。これまでJMDCのwebinarでは講演が中心で、双方向のやり取りが少なかったのですが、今回はライブで対談ということで、ハラハラドキドキしましたが、何とか無事に終わったので、次回以降も企画していければと思う次第です。(話すテーマだけ事前に決めていたのですが、それ以外は台本なしだったので。。。)
 さて、このwebinarですが、本来の研究の流れとは異なる切り口でアプローチしました。本来、研究のアプローチとしては、リサーチクエスチョンから適切な研究試料やデザインを検討することになりますが、データベースの場合、利用できるデータの特性のため、なかなか実現が困難なケースも多くあるかと思います。そこで、思い切って、データベース側から見たときどんなテーマの研究ができそうなのかという、とてもシンプルな考えに基づいて企画していますので、webinar企画の前提としてご紹介をさせていただきました。


【JMDCが提供するPep UpというPHR】
 Webinarでも取り上げましたが、「JMDCの可能性」という点で、レセプトや健康診断データ以外のデータについて今回は触れたいと思います。JMDCは健康保険組合(健保組合)に対して、保健事業のご支援をしているとともに、匿名加工情報の作成をしており、健保組合からの許諾のもと、レセプトデータ等の活用をしています(従来のJMDCデータのこと)。一方で、健保組合の加入者個人に対するサービスとして、PHRサービス『Pep Up(ペップアップ)』というものを提供しています。『Pep Up』は、レセプトデータや健康診断データに基づいて、加入者個々の健康維持・改善するために、スマートフォンやパソコンから利用ができるヘルスケアプラットフォームです。

前回のコラムでも触れましたが、
コロナワクチン接種記録機能(https://www.jmdc.co.jp/news/news20210405/)もこの機能の一つです。

【Pep Upを介した情報連携】
 Pep Upには、上記の機能以外に加入者向けのリサーチ機能も備わっています。Pep Upのサービスとして、ユーザーの健康に関する意識調査やサービスに関する調査という自社のリサーチだけでなく、スポンサード調査も対応しています。現在、約70万人*のPep Upユーザーに対して、WEB調査の実施可能です。そして、Pep Upを介しての実施であるため、調査回答者のPep Up上で連携されているレセプトデータや健康診断データを参照することが可能です。
 *対象人数はPep Upユーザー数とともに変動しますが、現在拡大中です。

 連携できる情報は、WEB調査で取得したデータだけではありません。fitbitを代表とするウェアラブルデバイスもPep Upは連携ができ、自身の活動量をPep Up上で管理することができます。そして、当然ながら同時にその人たちのレセプトデータ等が連携されている状況になります。

【様々なデジタル技術による情報蓄積】
 ヘルスケア領域でもですが、ここ数年、『DX(デジタルトランスフォーメーション)』の元、さまざま新しい技術により、効率化や私たちが活動する上で、より良い方向になるように変革が進んでいます。
 例えば、お薬手帳の電子化もその一つかもしれませんし、先に述べたfitibitなどウェアラブルデバイスによる健康管理もそうかもしれません。このコラムもDXの一つかもしれません。
 そうした中で、少し残念なのは、現状は、そのサービス内で情報が閉じられてしまっている傾向があることです。役に立つサービスを開発することは重要ですが、それを利用する人がどのような恩恵を受けるのか、そして、使い続けてくれるのか、こうしたことを考えながら、どのように他のサービス等と連携できるかもふまえての設計が大事なのかもしれません。
 個人的には最近は『睡眠』に関する情報を注目しています。睡眠は、人々になくてはならないものであり、人生の中で大きな割合をしめていますが、なかなか解明がされていませんでした。近年、研究が進んでこの「睡眠」についてもメカニズムがわかってきています。ウェアラブルデバイスでも睡眠状態を把握するという機能はありますが、こうした睡眠の情報をアウトカムとして、さまざまな研究がされていくのではないか?と感じています。

【プラットフォームとの連携】
 『Pep Up』に関して言えば、レセプトや健康診断データのプラットフォーム上で展開されるサービスとなります。PHRは、国も推進しており、近い将来、「マイナポータル」を軸とした壮大なPHRが日本で誕生し、さまざまな活用がされていくと考えられます。JMDCが提供している『Pep Up』はこれを何十歩も先取りをしたものであると考えています。
 健康に関するアプリを提供しても、Pep Upのようなプラットフォームと連携できれば、さまざまな情報が連携され、利用者により価値ある情報や便利なサービスが提供される可能性があります。
 すでにあるプラットフォームから取得されるデータだけでは、得られる情報に限界があります。とはいえ、必要な情報を収集する仕組みをゼロから構築するとなると、時間やコストがいくらあっても足りません。『Pep Up』のようなプラットフォームをうまく活用することは、いろいろな可能性が広がるかもしれません。

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